脳ドックの品質
脳腫瘍は、年間1万人以上に発症し、自覚症状もさまざまで、単なる頭痛だと放っておけば死に至ります。
新たな治療を切り拓く清水庸夫先生と、世界が注目する最先端の「サイバーナイフ治療」を紹介します。
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1988年に日本で誕生した脳ドックは十年ちょっとで、全国に普及しました。
当初は限られた病院でしたが、増えるにつれ、脳ドックの有用性が問題になってきました。
1995年10月には「脳ドック、判定にバラツキ」「医師の経験や機器の性能で差」という記事が朝日新聞に載っています。
脳ドックは保険の利かない自由診療ですが、日本脳ドック学会の調査では料金は2万円から20万円まで幅があり、平均7万円でした。
それ以上に大きかったのは無症候性こうそくの発見率で、ドックにより1%から56%まで(平均は18.6%)あった、というのです。
気づかないうちに起きている小さな脳こうそくは、致命的な脳こうそくの早いサインですが、見落とすとすぐに危険があるわけでもありません。
しかし、これはMRの性能を反映していますから、発見率の低いドックは小さな動脈りゆうも見逃している可能性が高いことになります。
MR装置の性能は磁気の強さに関係します。
高顧な装置と熟練した技師、医師が揃えば発見率は高くなり、その分、価格も高くなってしまいます。
ただし、小さな異常を見つけるほどいい、ということもいえません。
受診した人はどうしても不安になります。
大きな危険性の有無がチェックできれば十分、という考え方もあるからです。
学会のガイドライン
あまりにバラバラでは、脳ドック全体の信用にかかわります。
そこで日本脳ドック学会は1995年に端和夫・札幌医科大学教授(現・名誉教授)を委員長とする「脳ドックあり方委員会」を作り、委員会は1997年5月に「脳ドックのガイドライン」をまとめて公表しました。
ガイドラインでは、脳ドックの必要な検査を次のように示し、これらの一部を行わない時は「簡易脳ドック」などの別名称をつけるよう施設に求めています。
・問診 ・診察 ・血液 ・尿 ・血液生化学検査 ・心電図 ・頭部MRI ・頭部 ・頚部MRA
各項目には検査の内容が示されています。
問診では脳卒中の家族歴、診察では心臓の聴診や血圧測定が重要です。
また、血液検査ではコレステロールや血糖関係が重要です。
高齢者に対しては、早期痴呆に関連する「かなひろいテスト」などの簡単な脳機能検査を勧めています。
心電図もできれば24時間のホルター心電図がよい、としています。
MRI検査は10ミリ以下の幅で、「T1画像」「T2画像」など3種類の画像を撮ります。
また、MRA検査は、脳動脈りゅうの発見に必要な場所を示し、直径3ミリ以上の90%以上の確率で診断する精度を目安として掲げています。
見つかった場合は、「原則として手術を検討する。一般的には5ミリ前後より大きく、年齢が70歳以下なら手術を勧める。手術しない場合は一年以内に経過観察し、大きくなっていれば手術する」などの基準も書かれています。
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