脳ドックは不経済?
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がん検診に比べると脳ドックでは数十倍もの異常が見つかります。
ところが、それでも「脳ドックは不経済」とする報告が発表され、関係者にショックを与えました。
1996年2月の読売新聞によると、熊本大学医学部放射線科の高橋陸正教授(現・名誉教授)の計算は次のようなものです。
脳動脈りゅうは人口の2%が持ち、年間その2%が破裂すると仮定します。
破裂してくも膜下出血を起こすと、半数が死亡し、4分の1が後遺症を残します。
人口10万人で考えると、くも膜下出血で20人が死亡し、10人が後遺症を残すので、2億円の治療費がかかります。
脳ドックを受けると、約2万人が脳血管造影検査を受け、動脈りゅうが見つかった2000人が手術を受けるとすると、検査と手術の合計で40人が死亡し、105人が後遺症を残す可能性があります。
ドックの経費も50億円かかります。
脳ドックの方が経費も死者も後遺症も大きい、というわけです。
集団検診はたいていは不経済になりますが、高橋教授らの指摘は、死亡者や後遺症がかえって多くなる、というのですから深刻です。
ただし、数字は、検査と手術の死亡率、後遺症率をどの程度で計算するかで変わります。
脳血管造影検査の危険はゼロではないのは事実ですが、MR検査も今は三次元の立体画像が多くなり、脳血管造影検査は不可欠ではなくなってきました。
また、脳動脈りゅうが見つかったらすぐ手術、というわけではなく、放置した場合の危険と手術の危険を比較、検討し、手術する場合は定評のある病院や医師を選べば危険は少なくなります。
脳ドックを全員に受けてもらうわけではなく、動脈りゅうの見つかる可能性の高いグループにしぼれば効率は上がります。
胃がん検診では千人に一人しかがんが見つかりません。
その一人にとってはプラスでも999人の不要だった検査を税金で行うのはたしかに議論があります。
脳ドックはほとんど個人ですが、もし、胃がんと同じようにやると、一人のくも膝下出血を救うのに3億円かかる、との計算もあります。
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