脳卒中の様々な検査
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一口に脳卒中といっても、ほとんど症状のあらわれない、あるいは残らない軽症なものから、意識が全くなくなるものまでいろいろあることは、よくおわかりになったと思います。
医師は、患者さんの診断をはっきりさせるためや、原因あるいは合併症の有無を調べるため、あるいは治療の方法を考えるために、いろいろ検査をします。
中にはなぜこんな検査をするのか、一般の人にはわからないこともあると思います。
家族のかたは、それをいちいち尋ねづらいこともあると思いますので、ここでは脳卒中に対するいろいろな検査とその意味を、少しくわしく説明したいと思います。
救急車で運ばれてきた、意識がないような重症な患者さんには、
まず血圧、呼吸の状態、脈拍の打ち方や心臓の音(心音)、舌がのどの奥に落ち込んでいないか、どこかに外傷がないかなどを、医師は急いで調べます。
血圧が極端に高すぎたり、非常に低すぎたりしたら、すぐ処置することが必要です。
呼吸が不規則で荒く、その原因が舌がのどに少し落ち込んでいるためならば、呼吸ができるようにエアーウエイを口に入れたり、気管に管を入れる必要があるかもしれません。
呼吸の障害が、疾が詰まりかけているためであれば、吸引して疾をとってやらねばなりません。
心臓が弱っていればその処置を、嘔吐がはげしければ嘔吐を止めて、吐いたものが気管に詰まらないようにします。
このような処置をとりながら、医師は付き添ってきた人に、患者さんはどんな状況でどのように倒れたかなどを尋ねるでしょう。
ですから患者さんに付き添っていく人は、ふだんいっしょに暮らしている人か、あるいは倒れたときにその場にいた人が望ましいのです。そして手短に要領よく説明することがたいせつです。
意識の程度、ひとみ(瞳孔)の状態をみる
血圧や呼吸、脈拍を調べ、心臓や肺の音を問いたあと、貧血や黄垣の有無もチェックします。貧血や黄痘も、意識障害などの原因になるからです。
さらに意識障害の程度(深さ)、ひとみは開いていないか、左右で違わないか、マヒはあるか、あるとすればどちら側かなどをチェックするはずです。
意識障害の程度は、全く意識のない昏睡状態か、強く刺激すると反応する昏迷状態か、うとうとと眠っているような傾眠状態か、それとも正常かなどを判定します。
ほかに、よく医師や看護士が懐中電灯やペンライトのようなもので目をのぞいていますね。あれはひとみの大きさや光に対する反応をみているのです。
ひとみに光が当たると、普通はひとみが小さくなります。光を消すと、ひとみは元の大きさに戻ります。これは正常です。
ひとみが開いているとき、少しむずかしくいうと、瞳孔が直径5〜6m以上に大きくなっているのは、病気が悪くなっている兆候です。
左右のひとみの大きさが違うこともあります。
また脳幹部の病気では、逆にひとみが小さくなりすぎて、直径1m以下になることもあります。
このように、病気のいろいろな状態でひとみの大きさが変わるばかりでなく、光に対する反応が悪くなったりします。
マヒの有無を見分ける
ひとみを見ることは、患者さんの意識があってもなくてもできますが、
意識のない場合にマヒがあるかないか、あるとしたらどちらにあるかを調べるにはどうしたらよいでしょうか。
意識がない患者さんは、いくら命令しても自分からは手足を動かしてくれません。
そういうときは、寝ている患者さんの手を患者さんの顔の上に持ってきて、そこから落とすと、マヒのある側の手はバタンと顔の上にそのまま落ちますが、
マヒがないと、手は顔を避けてうまく横に落ちるものなのです。
また、患者さんの手足をつねって痛みを与えたとき、いやがって逃げるかどうかでも、痛みの感覚がなくなっているかどうかと、手足にマヒがあるかどうかがわかります。
しかしこれを何回も繰り返しては患者さんがかわいそうですが…
ハンマーのような打腱器と呼ばれる器具を医師はよく持っていますが、これで手足の筋肉の腱の部分をたたいて、その反応から病気のある側を推定したりします。
いずれにしても、もし片側にマヒがあって、それが意識の低下とともに起こっていれば脳の病気が草足られますし、
それが突然起ごったとすれば、脳出血や脳梗塞の可能性があるわけです。
また、医師が静かに患者さんの首を前に曲げたりしているときは、くも膜下出血などで血液が頭からだんだん脊髄のほうへおりてきて、頚がかたくなっているかどうかをみているのです。
往診先に医師が到着してから、あるいは患者さんが病院に運ばれて10分以内で、医師としてできればここまでのチェックはすませたいものです。
これが終わってから、特に設備のある病院ではCTスキャンやMRIと呼ばれる検査などが行われるようになりました。
そのような設備がない場合は、医師は以上のチェックのみの時点で病名を推測して治療を開始することになりますが、
最近ではこれらの検査は必ず行いたいものです。
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