脳こうそく小発作に注意
脳梗塞は、突然襲ってくる脳卒中の原因の7割以上を占め、年間50万人以上がかかっていると言われています。
徹底的な検査で予防・早期発見し高い評価を受けている、内山真一郎先生の脳ドックを紹介します。
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脳こうそくには二種類があります。
一つは、脳の血管が動脈硬化を起こして狭くなっていて、そこに血液が固まってつまる脳血栓です。
もう一つは、ほかの場所にできた血栓(血液の固まり)が脳に飛んできて、血栓よりも細い血管部分にひっかかってしまう脳そくせん(塞栓)です。
多くは、心臓弁膜症や心房細動(心臓の壁がこきざみに収縮する不整脈の一種)などの心臓病があり、血液がとどこおるとそこに血栓ができやすいのです。
脳こうそくは夜間や明け方に、急に手足がまひしたり、口が回らずにしゃべりにくくなる発作から始まることが多いのです。
大発作の前に、何回か前ぶれのような小発作が起こるのが普通です。
小発作は黄色信号です。
本当は、ここで気づいて、大きな発作を予防する絶好の機会です。
一過性脳虚血発作(TIA)は、小さな血栓が細い血管にひっかかったような状態で、代表的なのは、食事中にハシを落としたり、手足がしびれた感じになるような場合です。
ふっと意識を失うこともあります。
数分程度、長くても二十四時間以内で元通りに戻ります。
これより重症で、二、三週間、長くても二、三ヶ月以内で戻るのが可逆性虚血性神経障害(RIND)です。
血栓防止薬や脳血管拡張剤などで治療します。
こうした患者さんに対して、かつては盛んに脳動脈バイパス手術が行われました。
頭蓋骨の外側の頭皮の動脈を、頭蓋骨の内側の脳動脈につないで、つまった先の脳に頭皮の動脈からの血液を送ろうという手術です。
しかし、一九八五年、カナダ・ウェスタンオンタリオ大学のH・バーネット教授を代表とする十五ヶ国共同追跡調査結果では、血液を固まりにくくする働きのあるアスピリンなどの薬物治療に比べて発作の再発率はほとんど変わらなかったという予想外の結論が出ました。
このために、現在はあまり行われなくなりました。
MR(磁気共鳴)検査で脳をくわしく調べると、いろいろな場所に無症状の小こうそくがあったり、こうそくに近い変化も見つかります。
これらがどのように発展していくかはまだはっきりしませんが、変化の状態をふまえて、日常生活に気をつけ、時には薬物治療を始めることで、将来の発作を遅らせたり、予防することも可能でしょう。
脳血栓に比べると、脳そくせんの方が症状は急激に進み、生命の危険も大きいのです。
心臓病が根底にあれば、脳血管が全く正常でも起こります。
また、動脈硬化を起こした内頚動脈からはがれた血液の固まりが脳血管に流れ込むこともあります。
血液の固まりが小さくなってさらに下流に移動して血管が再び開通すると、こうそくのために壊死したり、弱くなっていた血管の壁が破れて出血します。
出血性こうそくと呼ばれる複雑な状態です。
欧米風の食事の普及で心臓病が多くなるにつれ、脳そくせんは増える傾向にあります。
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