脳卒中・脳梗塞発症後の経過と治療
脳腫瘍は、年間1万人以上に発症し、自覚症状もさまざまで、単なる頭痛だと放っておけば死に至ります。
新たな治療を切り拓く清水庸夫先生と、世界が注目する最先端の「サイバーナイフ治療」を紹介します。
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脳というのは不思議な、そして他とはかなり違った臓器です。
他の臓器ならたとえ2〜3時間血液が来なくても生きられますが、脳はそうはいきません。
15分あるいは長くても1時間血液が全く来ないと脳は死んでしまいます。
ですから発症してから時間がたった脳梗塞で、その病巣の中心部は、患者さんが病院に着いたころにはもうよくならないほど障害が進んでいると考えてよいでしょう。
ですから脳梗塞の治療は、まだ多少生きている周囲の組織のダメージを、いかに少なくするかということが、いちばんたいせつになります。
脳浮腫の治療
梗塞の周囲には、しだいに脳浮腫という脳のむくみが生じ、そのために病変中心部から離れた脳のたいせつな部分が圧迫されます。
その結果、脳ヘルニアが起こって、呼吸や心臓を動かしている脳のたいせつな部分が圧迫され、患者さんの容体が急変したり、梗塞の起こっていない場所にまで悪影響が及びます。
これを防ぐために、浮腫を軽減させる薬剤を静脈から点滴で注入したり、ときには頭蓋骨をあけて手術をします。
脳梗塞の発作直後では血圧が上昇していることが多いのですが、
心臓病などの合併症があって、血圧がこれ以上高いと心臓が危ないという場合以外には、高血圧はしばらくそのまま様子を見ることが多いのです。
これは脳の血流をこれ以上減らさないためです。
しかし慢性期になったら、薬物を使って血圧をゆっくり下降させるようにします。
脳梗塞発病後3〜4日したら
3〜4日たっても意識障害がつづいていれば、栄養、水分などの補給をしたり、感染の予防、排泄などにも気を配らなければなりません。
もし意識状態がよければ、口から多少の食事をすることも可能です。
リハビリテーションもなるべく早く始めるべきです。
脳梗塞ではほとんどの人は入院して治療を受けていると思いますが、医師は病状を観察しながらリハビリテーションの指示をしていきます。
ただし患者さんの状態や年齢、合併症その他いろいろな事情で、どの患者さんも全く一様に治療するわけではありません。
これらの点は主治医を信頼して指示に従ってほしいと思います。
意識障害があったり、手足のマヒがあったりして自分で体位を変えることができないと裾癒(床ずれ)ができることがあります。
これは体の重みによる圧迫で皮膚その他の血のめぐりが悪くなり、はじめは皮膚が赤くなる程度の変化ですが、だんだんひどくなると、
それが紫色になって皮膚がむけたり潰瘍になったりして、その傷口から細菌などの入る状態です。
皮膚は常に清潔にして、少なくとも2〜4時間に一度は体の位置を変えるようにし、
必要ならばエアマットと呼ばれる弾力性のあるマットを便うなとして、床すわにならないように再意します。
脳梗塞の慢性期に入ったら
1ヶ月以上たつと、どんな重症例でも脳のむくみもとれ、症状は安定してきます。
血圧も必要ならば薬物で安定させることができます。
リハビリテーションも必要ですが、脳の循環を改善させたり、代謝(働き)をよくする薬物を使って、自覚症状(めまい、耳鳴り、頭重、しびれなど)や精神症状をよくすることにも努力を払うべき時期です。
また、もともとあった病気(合併症)や、脳梗塞後に起こってきた偶発症に対しても治療が行われます。
また、再発の予防も必要です。これらの治療は、患者さんにより大きく異なるので、主治医によく説明を受けながら治療をつづけてください。
この時期まで残ったマヒや感覚障害などは、失語を除いてはかなり固定してしまうことが多いのです。
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