もやもや病(ウイリス動脈輪閉塞症)
脳腫瘍は、年間1万人以上に発症し、自覚症状もさまざまで、単なる頭痛だと放っておけば死に至ります。
新たな治療を切り拓く清水庸夫先生と、世界が注目する最先端の「サイバーナイフ治療」を紹介します。
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この病気は、2〜10歳の子ども、あるいはそれ以上の比較的若い人に発症します。
突然の片マヒ、言語障害、視力障害、ケイレン、意識障害、はげしい頭痛や嘔吐などの症状で始まり、脳血管撮影をすると、正常では見られないような異常な血管網がもやもやとした像で見られるところから「もやもや病」という名で呼ばれていますが、正式には「ウイリス動脈輪閉塞症」といいます。
内頚動脈が細くて頭蓋骨の中に入ったところで急に狭くなり、その先は正常に見られる血管はなくて、かわりにレントゲン上でもわかる細い血管がかたまりのように入りまじっています。
これはおそらく正常な血管が詰まってしまって、かわりにバイパスのような新しい血管がたくさんできているからで、これがもやもやとした感じに映るので、もやもや病と名づけられたのです。
もやもや病の症状の特徴
このもやもや病は、子どもでは一過性脳虚血発作や脳梗塞のような症状で始まることが多いのです。
強く泣きじゃくったり、急に走ったり、ハーモニカなどを吹こうとしていきんだりしたときなどに、一時的に片マヒや意識障害(ボーッとしたり意識がなくなったりする)などがあらわれます。
太い血管が詰まっていても、バイパス(副血行路)ができていて、脳はそこから必要最低限度の血液をもらえるので、ふだんは特別な症状はあらわれませんが、先にも記したように、いきんだり、強く泣きじゃくったりして脳内の圧力(脳圧といいます)が少し高くなると、血液がうまく流れなくなって、いちばん血液の流れの悪くなった部分の脳の症状(たとえば運動中枢のあたりなら反対側の手足のマヒなど)が一時的に出るというわけです。
しかし子どものことなので、親に訴えなかったりします。
さらに一般に症状は一時的なものですぐ消えてしまうために、親も1〜2回の発作では気づかないことも多いのです。
またときには、子どもが異常を訴えても、仮病を使っていると勘違いされて放置されてしまうことさえあります。
発作は繰り返し起こり、ときには持続的なマヒになってしまうこともあり、そこで初めて医師を受診するということもあるのです。
成人にも発症するもやもや病
成人にこのもやもや病の症状が出るときは、突然の激しい頭痛や嘔吐など、ちょうど脳の中に出血が起こったような症状で始まることが多いのです。
この場合では、やっつけ仕事というか、多少手抜きででき上がったもろいバイパスの血管が、急に血圧が上がったようなときに破れて出血が起こり、症状が出るわけです。
後遺症は? 手術は?
軽い片マヒなどの後遺症が残る場合もあります。
このときは、リハビリテーションなど普通の脳卒中の治療を行いますが、若い人が多いだけに、マヒなどの回復は高齢者の脳卒中よりもよいことが多いようです。
また、脳外科で手術するかたも多いのですが、この病気で手術をするかどうかの決定は、かなり慎重に納得いくまで医師と話し合ってからにしたほうがよいと思います。
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